腎癌
どんな病気?
腎臓の実質から発生する悪性腫瘍で、腎臓原発腫瘍と転移腫瘍に分けられますが腎臓原発腫瘍がほとんどです。腎癌には様々な組織型がありますが約 8 割が淡明細胞癌と言われています。自覚症状として代表的なものに血尿、側腹部痛、腹部腫瘤触知がありますが、最近は健康診断や他疾患のエコーや CT で偶然見っかることが多くなり、自覚症状がないことがほとんどです。
検査の方法
造影剤を使用したCT検査を行い、 CT値や造影パターソをみて診断することがほとんどです。腎機能障害のため造影剤の使用が困難な場合や、診断困難な際にはMRIなど追加することがあります。
治療の方法
限局癌の場合、腫瘍の切除が基本になります。既に転移があった場合でも切除の適応となることもしばしばあります。腫瘍径7cm以下のstage1で5年生存率は91%と高い生命予後が期待できます。 切除手術の方法は、小腫瘍の場合は腎機能を可能な限り温存して腫瘍だけを切除する腎部分切除術を選択します。腫瘍径が大きいものや腎臓の主要な血管および尿路に近接している場合は腫瘍側の腎摘出術を選択します。それぞれ腹腔鏡手術と開放手術にわけられ、最近では腹腔鏡手術を行うことがほとんどです。腎部分切除術に関してはロボット支援下手術も 2016年4月より保険適応となっています。 既に転移のある場合は、可能であれば腎摘出術を行い腫瘍の組織型を確認後に、分子標的治療薬(スーテント、ヴォトリエントなどのチロシンキナーゼ阻害剤)を使用したり、それも無効な場合は免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ)を使用したりします。