尿失禁
どんな病気?
重い物を持ったとき、くしゃみや咳をしたとき、運動をしたときなどに尿が漏れる尿失禁。悩んでいる方は多いのですが、恥ずかしさから受診できずに我慢してしまう方も多いようです。状態に応じた治療法がありますので、気になる方は泌尿器科を受診してみてください。尿が漏れることを尿失禁といいます。尿失禁には、様々なものがあり、症状や検査からどのような尿失禁かを見極め、病状に応じた治療が必要になります。ここでは、女性に多くみられる腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁症状の症状と治療について説明します。
①腹圧性尿失禁
妊娠や出産、肥満、加齢、閉経などにより、尿道を支える組織(骨盤底筋)が弱くなった状態で、お腹に力が入ると尿が漏れてしまいます。
治療の方法
尿失禁の程度により、体操や内服薬、手術などで改善を目指します。
②切迫性尿失禁
水の音を聞いたり帰宅したときなどタイミングは様々ですが、急な尿意によりトイレに行くのが間に合わずに漏れてしまいます。本来、排尿は脳からの指令によりコントロールされていますが、何らかの原因によりコントロールができなくなると切迫性尿失禁が起こります。
なぜ起こるの?
膀胱炎・膀胱結石・膀胱癌・前立腺肥大症などの病気や、脳や脊髄のトラブル(脳出血・脳梗塞・脊椎症など)、その他原因不明の場合も少なくありません。女性の場合は、膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も原因になります。
治療の方法
膀胱炎や前立腺肥大症など原因がはっきりしている場合は、それぞれの病気の治療を行ないます。原因がはっきりしない場合や脳や脊髄が原因の場合は、内服薬による治療が中心です。膀胱訓練や飲水制限など生活訓練が有効な場合もあります。内服薬で十分な効果がみられない場合や、副作用などで十分なお薬による治療ができない場合は磁気や電気による治療を行ないます。
検査の方法
- 尿流検査、残尿検査
- 尿の勢いを調べます。
- パッドテスト
- 決まった動きをしてもらいパッドに漏れた重量を測定します。
- チェーン膀胱造影
- 膀胱に造影剤を入れて写真を撮ります。
- 排尿記録
- 自宅で排尿した時間と量を測定してもらいます。
過活動性膀胱の症状は自分の意思に反して膀胱が勝手に縮んでしまう事が原因で起こります。治療法としては抗コリン薬と呼ばれる薬剤等による治療が広く用いられています。 抗コリン薬は膀胱の筋肉をゆるめる事によって、これらの症状を改善します。